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渡邉邸 様

渡邉邸は周囲に堀や塀をめぐらした1ヘクタールの敷地に、17アールの大邸宅が旧国道113号線に面して威容を誇っています。
かつて75人の用人が仕事を分担して働き、1,000ヘクタールの山林を経営し700ヘクタールの耕地からは9,000俵の米が収納されたという豪農の風格を、ここでしのぶことが出来ると思います。

平成26年12月17日
総工費8億円をかけた約6年間に及ぶ「平成の大修理」で母屋・外塀・土蔵を修復完了し、現在ではその荘厳な姿を拝観できます。

【屋根】
石置木羽葺(いしおきこばぶき)屋根

大座敷2階の玉石を載せた屋根は石置木羽葺屋という工法で、その面積は母屋だけで1,236平方メートル(375坪)に及びます。
先端の烏止まりは豪農の館である証です。
戦前まで村の民家の9割が石置屋根で、屋根葺き職人だけでなく、木羽剥ぎ専門の職人もいたと言います。

大座敷1階の屋根はこけら葺。
杉の薄板を重ね、竹釘で打ち止めて作り出す曲線が優雅で、神社・仏閣や茶室に多く用いられます。
通常のこけら茸は6センチメートル(2寸)離して重ねますが、
当家は3センチメートル(1寸)間隔のため、より一層、繊細で優雅な曲線です。

【庭園】

広さは1,275平方メートルで心字池を中心に穿ち築山を配し、小規模ではあるが池泉回遊式になっており、
江戸中期、京都より遠州流庭師を招き構築されました。
京都遠州流の池泉回遊式庭園は国指定名勝です。

剛毅・繊細両面をうまく組み合わせた配置で、築山に枯滝、州浜に石灯籠、北側に井戸囲い、座敷側には手水鉢を設けるなど
巧みに見せ場を作り出しています。
また、渡邉家が廻船業を営んでいた影響もあり、石材の多くは小豆島・紀州・京都鞍馬山等関西方面のものが使用されています。
庭匠田中泰阿弥が修復を手掛け、石組の見事さはこの道の極みに達すると言われています。
心字池の向こう岸は極楽浄土を表すとされ、不動石や枯滝、鶴と亀に見立てた植栽などが施され、招かれた客人をもてなす心が
込められています。

大座敷の床の間を背にして眺めると、白梅(春)、杜若(夏)、紅葉(秋)、雪見灯篭(冬)と四季の風景を楽しむ事ができます。

【母屋】

通り土間

茶の間

中茶の間から台所

建物の形式としては、街道に平行に建棟と直角に建棟の二棟からなり屋根はT字型となりいわゆる「撞木造り」の様式を採って
いる、この形式は関川村に多い形式です。
母屋は桁行35.1メートル、梁間17.8メートルの切妻造りの置く行きの長い造で、豪壮重厚な感じの建物です。
二度にわたる火災のあと文化14年(1817)に現在の様に再建されました。
母屋を南北に貫通する土間に面して茶の間・中茶の間・台所と続いて、この土間は、採光のため吹き抜けになっていて壮大な
空間を造り、大黒柱はじめ各柱、天井の梁材はけやきの巨木良材を木取って組まれていて壮大な空間は見る物を圧倒させます。

大座敷

玄関から二之間にかけて

納戸

反面、大座敷、ニ之間、納戸座敷などは繊細な数奇屋風の作りとなっており壮大さと繊細さを合わせ持つ建築です。
部屋の数は約40室、便所7箇所、浴室4箇所と大規模な造りになっているが、最盛期にはここに70名程が住んでいました。
渡邉邸は映画やドラマのロケ地としても度々使用されており、その中でも平成7年にNHKで放送されたドラマ「蔵」が有名です。
また最近では、幕末の風雲児、河井継之助を描いた司馬遼太郎の長編歴史小説を役所広司さん主演で2020年に公開予定の
「峠 最後のサムライ」のロケ地としても使用されました。